幸せな終焉
今日みたいな、終わり方を迎えたバンドは、
それを見届けた私たちはきっと幸せなんだろうね
解散という節目に立ち会うのは、過去にも一度、
スーパーカーの最後で経験がある。
ただ、そこには光はさしていなかった。
終焉の悲しみ、喪失感だけが漂っていた。
今日、私たちが野音のステージに聴いた、観たのは
もうひとつの終焉の形。
楽しさが会場には溢れていた。
その楽しさは単にメンバーの面白さだけではなくって、
3人がステージ上から鳴らす音は
この日、初めて耳にする私にすら自然とリズムをとらせる。
『なんで解散なの?』
という、シンプルな疑問が何度も頭を過ぎった。
だって、こんなに楽しい最後なんて、、さ。
やり遂げたから、解散するのだとしたら
なんとなく分かる気がする。
ステージ上のメンバーは全力だったと思う。
その音はとても力強く、そのリズムはとても面白い。
誰にも属さない、そんな特別な音。
それが、デキシード・ザ・エモンズという音。
バンドの活動は終わっても
きっとその音は聴かれ続けるんだ。
楽器とアンプと簡単な照明だけのステージ
飾りなんて必要ないんだ
ただ、3人がいて、その3人が音を出せば